緩和医療・ホスピス
がん診療の全経過を通して認められる”苦痛”の緩和を主眼に置く医療を緩和医療といいます。一般的にがん末期の”終末期医療”と混同されやす
い傾向にありますが、あくまでも”終末期医療”は”緩和医療”の一部で、緩和医療自体は、早い時期から他の治療(手術療法・化学療法・放射線療法
など)と併用すべき必須の治療法です。
ホスピスでのケアのように終末期ではいたずらな延命治療より、個人の尊厳を重視し、少しでもQOL(闘病生活の質)を高めることが治療の目的とな
ります。あくまでも”苦痛を緩和して生きる”ための治療ですから、治療により”死期”を早めたりする事があっては決してなりません。
緩和医療の主体は患者さんで、病名告知を含めたインフォームド・コンセントや十分なコミュニケーションが大切で、患者さんとそのご家族を中心に
内科・外科・麻酔科・放射線科・精神科医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、栄養士、理学療法士、心理療法士、ボランティア、そして場合に
より宗教家などがチームを組み、肉体的・心理的・社会的サポートを行うことが理想とされています。
緩和医療を専門的に行うのが緩和ケア科・緩和ケア病棟ですが、現在、2004年にスタートした「第3次対がん10ヵ年計画」の主旨に基き、
「都道府県がん診療連携拠点病院」を中心に施設内がん総合治療センターを設置、地域がん診療連携拠点病院などと連携し、
キャンサーボード(Cancer Boad)により、従来の縦割りの診療科の垣根を取り払い外科、内科、腫瘍内科、腫瘍放射線科、麻酔科、腫瘍精神科、
緩和医療科、更には病理、腫瘍看護学、緩和ケア、薬理学、リハビリテーション医学、栄養学、心理社会学などの各専門家が一同に集まり、1つの
症例に対する治療法を包括的に議論し、エビデンスに基いた有効性の高い集学的治療法を決定、疾患の種類や病期、合併症治療、更には患者さん
の意思を尊重した、最適で包括的な治療方針を提示・実践して行こうとする新たな診療体制編成の動きがはじまっています。
がん相談やセカンド・オピニオン、治療成績の公表、がん医療情報の発信、臨床研究や基礎研究、がん専門医あるいはがん専門看護師、物理士、
薬剤師など医療スタッフの育成などをはじめ、緩和医療を含めた全人的包括的がん医療を実践して行くための理想的な診療システムとして運用が
開始されはじめました。
| 緩和ケア外来(病棟)・麻酔科ペインクリニック・腫瘍精神科・ホスピスのある施設 |
緩和医療とは単にモルヒネなどの強オピオイドによる徐痛だけではなく、場合によっては、症状緩和効果のある化学療法や十分な支持療法の選択、
腹水・胸水などのコントロール、外科的なバイパス術や苦痛の原因となっている主腫瘍に対する局所処置、消化管外ろう造設による栄養状態の維持、
麻酔科での各種ブロック処置などのペインクリニック、骨転移に対する局所放射線療法の検討や整形外科的処置、リハビリテーション、さらに腫瘍精神
科による心理的サポートなど総合的・全人的対応を要します。
もちろん積極的治療が困難となった終末期などのケースに対するホスピスなどの緩和ケアの体制も重要です。
各診療科と連携した緩和ケア外来(病棟)、麻酔科によるペインクリニック、腫瘍放射線科による骨転移巣に対する局所放射線療法、闘病中の
コンサルテーション・リエゾン精神医療に積極的に取り組む腫瘍精神科等を標榜している医療機関です。
また、腫瘍放射線科に関しては放射線療法ページを、緩和ケア病棟を併設している施設に関しては緩和ケア病棟承認・届出受理施設なども合わせて
ご参照ください。
なお、現在、2004年にスタートした「第3次対がん10ヵ年計画」の主旨に基き、「都道府県がん診療連携拠点病院」を中心に
キャンサーボード(Cancer Boad)での緩和医療を含めた全人的包括的がん医療実践の動きがはじまっています。
| 緩和医療関連学会・研究会 |